「発酵は、人生そのもの」240年続く麹屋・山口こうじ店が大切にしていること
MUROオリジナル商品としてじわじわとファンを集めている、フルーツを組み合わせた「FLORE KOJI JAM」と、麹と大麦を掛け合わせた「大麦麹調味料」。
その味の土台を支えているのが、福島県で約240年続く老舗でありながら、新しくて美味しい麹づくりに取り組み続けている「山口こうじ店」さんです。
今回は、この2つの商品が生まれる背景や、麹づくりへの技術的なこだわりについてお話を伺いました。
240年の歴史は
「米を守る」仕事から始まった
- 創業のきっかけや、これまでの歴史について教えてください。
- 山口さん公的な記録としては、明治6年に麹製造の許可をいただいていますが、ルーツを辿ると、約240年前に新潟の長岡藩からこの地に移ってきたのが始まりです。当時は麹屋というより、酒蔵でお米を管理する「米守(こめもり)」という役割でした。
山口こうじ店さんの歴史は、単に麹をつくることから始まったのではなく、地域の酒造文化、ひいては日本の食文化を支える役割から続いてきました。
その積み重ねてきた時間と誇りが、今の麹づくりにも確かに息づいています。
歴史に甘えない。試作を止めない
「柔軟な麹づくり」
- 山口こうじ店さんならではの強みは何だと思いますか?
- 山口さん一番の強みは、素材や配合の違いに合わせて、麹のつくり方を柔軟に変えられることです。決まった型に当てはめるのではなく、その都度、一番おいしくなる方法を探しながら仕込んでいます。
山口こうじ店さんのすごさは、長い歴史だけではありません。
原料やレシピごとに試作を重ね、味や香りを細かく調整できるからこそ、フルーツの風味がしっかりと活きた「FLORE KOJI JAM」や、米麹の代わりに大麦を用いた「大麦麹調味料」が生まれています。
- 麹づくりで特にこだわっている点や、難しい点は何ですか?
- 山口さん一番難しいのは温度管理ですね。白米ではうまくいっても、玄米や大麦になると条件はまったく変わりますし、使う菌が違えば、また別の調整が必要になります。だからこそ、その都度素材や菌の状態を見ながら、「いま一番いい状態」を探って仕込んでいくことが欠かせません。そのために、温度を細かく管理しやすい「室(むろ)」づくりにも力を入れています。
MUROオリジナル商品は
こうして生まれた
- 「FLORE KOJI JAM」開発で、苦労した点があれば教えてください。
- 山口さん一番難しかったのは、「麹の甘み」と「フルーツの美味しさ」のバランスです。発酵で甘みを出そうとすると麹の香りが強くなり、フルーツを増やすと糖度が下がってしまう。この両立が本当に難しかったですね。
FLORE KOJI JAM 開発の裏側 ―麹の甘みと、フルーツの美味しさの間で―
フルーツの美味しさ、麹の自然な甘さ、そして衛生面。
そのすべてを成立させるために、山口こうじ店さんには、特殊な加工方法なども含めて、さまざまな試作を重ねていただきました。こうして完成したのが、「FLORE KOJI JAM」です。
- 普段は、どんなふうに食べることが多いですか?
- 山口さんヨーグルトにかけるのもいいですし、私はココアが好きなので、パンに塗って食べるのがお気に入りです。
大麦麹調味料は
料理の味を決める「うま味」
- 「大麦麹調味料」の特徴と、米麹との違いを教えてください。
- 山口さん大麦麹は、米麹に比べてデンプン量が少ないため、甘みが出にくく、その分ベタつきが少ないのが特徴です。一方でタンパク質が多いので、うま味が非常に出やすい。そこが一番の魅力ですね。
- おすすめの使い方は?
- 山口さん普段のお料理で、塩や醤油の代わりとして使っていただくのが一番おすすめです。米麹の塩麹は甘みがある分、お肉に使うイメージが強いと思いますが、大麦麹は「味を決める」ための調味料として、とても優秀です。いつもの塩や醤油を大麦麹調味料に変えるだけで、料理全体の味がまとまり、うま味がぐっと引き立ちます。
発酵は人生そのもの
—山口さんが語る、未来への想い—
- 今後、取り組んでいきたいことは?
- 山口さん私の代で終わらせるのではなく、200年、250年と続けていくことが使命だと思っています。将来的には海外にも届けられるよう、設備や衛生環境もさらに整えていきたいですね。
最後に山口さんは、「発酵」という営みを人生になぞらえて語ってくださいました。
「発酵が私たちにとって有益なものになるように、人もまた、良い人たちと巡り合い、良い環境にいることが大切だと思っています。
ただ、世の中には本当にいろいろな人がいますよね。それは私たちの腸内細菌叢と同じで、良い菌もいれば、そうでない菌もいる。そのバランスの中で成り立っているのだと思います。
酸いも甘いも、さまざまな人と出会いながら、その中で少しずつ、より良い選択を重ねていく。
そんな営みこそが、発酵の過程とよく似ていて、大切なことだと感じています。」
菌の世界も、人の世界も同じ。
山口こうじ店さんの麹づくりの背景には、食への誠実さと、人生への深いまなざしがありました。
MUROの商品を通して、その「安心」と「美味しさ」を、ぜひ食卓で感じていただけたら嬉しいです。

-
麹専門店MURO神楽坂
MURO(むろ)は、麹を製造する神聖な場所「麹室(こうじむろ)」が名前の由来です。「KOJIを通じて、人々の健康や豊かな食に貢献する」をコンセプトにしたKOJI FOODS(麹を使った食品・調味料)やKOJI DRINK(麹甘酒)のブランドです。
取り扱っている麹甘酒は全て、ノンアルコール・ノンシュガー・無添加。
店舗には管理栄養士や発酵食品ソムリエなど、甘酒好き、甘酒通のスタッフが体質やお好みを伺って お客様に合うような甘酒の種類や飲み方を提案しております。
沢山のこだわりの甘酒の中から、ぜひお気に入りの一本、お気に入りの作り手さんに出会って 日々の体と心の健康にお役立ていただけますと幸いです。


