【独占インタビュー】出雲駅伝準優勝・早稲田大学 花田勝彦監督が語る。「個」を育てる指導の神髄と、麹が支えるコンディショニング
2025年10月13日に開催された出雲駅伝。
早稲田大学競走部は最終区まで優勝争いを演じ、見事準優勝を果たしました。
今回、株式会社コラゾン代表の大村が、チームを率いる花田勝彦監督に、独自の指導哲学、そして「練習・食事・睡眠の正三角形」を支えるコンディショニングの秘密まで、深くお話を伺いました。

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花田勝彦さん
1971年生まれ。滋賀県出身。
彦根東高校、早稲田大学人間科学部卒業。
大学時代1993年の第69回箱根駅伝では4区で区間新記録を樹立し、早稲田大学の総合優勝に貢献。
卒業後はエスビー食品に入社し、オリンピックには10000mで1996年アトランタ、2000年シドニーと2大会連続で出場。
またマラソンでは1997年アテネ世界陸上に日本代表として出場した。
現役引退後は指導者の道へ。
上武大学駅伝部監督などを経て、2022年より早稲田大学競走部駅伝監督に就任。
激闘の出雲駅伝。
「悔しさ」の先に見た、確かな手応え
- まずは、2025年出雲駅伝準優勝、誠におめでとうございます。この素晴らしい結果を、監督としてはどう受け止めていますか?
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花田監督ありがとうございます。
終わった直後は、久しぶりに先頭争いをし、選手たちも力を出し切れて満足度は高かったです。
ただ、時間が経つにつれて「あそこをこうしておけば」という改善点も見え、優勝のチャンスがあっただけに「悔しさ」も出てきました。
科学の眼と、麹の力。
監督の哲学を支える「腸内環境」
- 監督が掲げる「練習・食事・睡眠の正三角形」という哲学が最高の形で発揮されたのではと思います。
弊社から提供させていただいている麹ドリンクが、選手のコンディショニング維持に具体的にお役立ちできているか、感触を教えてください。 -
花田監督体調を崩す選手はかなり減ったと思います。
私自身も試してみて、睡眠が良くなったり体調が良いと感じています。
選手も今、続けて飲んでくれる子が増えていますね。
最近は瓶タイプ(KOJI DRINK A)の美味しさに気づいて1日1本と分かりやすく続けやすいようです。海外遠征に持参する選手もいます。
- 昨年11月からは、早稲田大学スポーツ科学学術院と選手の腸内細菌叢に関する共同研究を進めさせていただいています。
どのように活かしていかれるのか、お考えを聞かせてください。 -
花田監督私自身、競技者において腸の「排便力」は大事だと思っています。
選手はたくさん食べる分、しっかり出さないといけない。
これまでは緊張で便秘気味になる選手もいました。
(麹ドリンクを飲んでからの調査で)便通が良くなったという学生も多いです。個人の感覚だけでなく、研究によってエビデンス(科学的根拠)が出ることで選手たちも「効果があるんだ」と実感できる。
この共同研究は非常に大事だと思っています。
▲MUROの麹調味料を使用した寮食メニュー
- 監督ご自身がコンディショニングを意識されたきっかけは?
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花田監督大学1、2年の頃にケガが多く、3年になる時に当時コーチだった瀬古さんから「今年伸びなかったら将来ない」と言われて。
そこでトレーニングや栄養面を見直し、自分で食材を買って調理もしました。
体調が安定するという実感を得た経験が、現在の「練習・栄養(食事)・休養(睡眠)の正三角形」という指導哲学の礎となっています。
「個」を育てる指導論。
「失敗」から学ぶ。
海外経験が選手の「内面」を革新させる。
- 有力な選手に海外遠征の場を経験させているのを拝見していますが、やはり「体験」や「経験」は、パフォーマンスに大きく影響しますか?
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花田監督大きく影響しますね。私自身が大学3年の終わりに初めて海外遠征に連れて行ってもらい、競技観や人間としての価値観が変わりました。
人間、初めてのことは失敗が多い。その失敗から学んで次に進むことが多いので、将来ある選手たちには、できるだけそういう機会を早く作ってあげたい。
失敗して、学んで、次に活かすというプロセスは、選手のピークが過ぎた30歳や40歳からでは遅いのです。
- 早稲田の学生は考える力がある分「ティーチング(教える)」を我慢して「コーチング(引き出す)」をされているとか。
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花田監督(選手時代)瀬古さんから細かいアドバイスはなく、「どうしたら勝てますか?」と聞くと「強い選手について行って最後抜けばいい」と(笑)。
簡単なようでなかなかそれができない。だからこそ自分で考えました。
早稲田の学生は考える力があるので、本人がチャレンジしたいなら、失敗するかもなと思ってもやらせてみる。後で「どうだった?」と聞き、言葉をかけるようにしています。
- 他大学と比べて練習量は多くないそうですね。
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花田監督駅伝強豪校の中には月間1000kmを超える走り込みをする大学もあります。でも早稲田は学業もあり、強化合宿の期間も限られるなど環境が違います。
選手には「自分で創意工夫して取り組んだ月間700kmならすごく価値がある。他大学が真似できない、早稲田オリジナルの強さを作りましょう」と伝えています。
こういう食事の取り組みや、体の中身から研究することもそうです。
「先頭の景色」が、チームを強くする。
箱根、そして世界へ繋ぐ指導者の哲学
- チームの目線として、箱根駅伝が一番大きいと思いますが、出雲駅伝への調整はどのように考えていましたか?
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花田監督将来箱根で優勝するために「先頭争い」の経験、つまり「先頭の景色」を見たり、そのプレッシャーを感じたりする経験をさせたかった。
そのために、今回は出雲駅伝に合わせていったという側面がありました。
- 「先頭の景色」は全く違うものですか?
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花田監督同じ力を持っていても、「勝ったことがある人」は、負けそうになっても「絶対自分は勝つ」というプラスアルファの力が出ます。
ですが、「勝ったことがない人」は、「負けるかもしれない」と後ろに引っ張られてしまう。
私自身も、大学でチームが強くなり「勝つことが当たり前」になったことで、どんなに苦しい時でも「最後は勝つんだ」と前に進める力が生まれました。
- 今後の戦略についてお伺いしたいのですが。
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花田監督駅伝で勝つためにはチーム全体としてのレベルアップは必要です。
チーム作りのコンセプトは「圧倒的な個を作る」こと。世界を目指せるようなエース級の選手を育てると同時に、地道に努力して上がってくる選手も育てて、うまく連携させる。
そういった構造を作れれば、今回のように前半少し出遅れても、大エースが逆転してくれる展開に持ち込めます。
栄養の話とも似ていて、色々な栄養素が揃って一つの「チーム」という体ができます。バランスが大事ですね。
- 監督ご自身の夢は何でしょうか?
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花田監督私自身はオリンピックや世界選手権を経験できましたが、「出ること」がゴールになってしまい、その先の入賞やメダルには届きませんでした。
ですから、自分が育てる選手には、そこを目指す指導をしたい。
学生のうちにどれだけ多くの経験を積めるか。そのための「橋渡し」ができる役割を担えればと思っています。
- 「勝負を楽しむ」というお話もありました。
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花田監督スタートラインに立った時、そこまでにやるべきことをやっていれば、結果はもう決まっているようなものです。
あとは自分の力を出し切るだけ。
もし負けたら、相手の努力のほうが上だったということ。
終わったらノーサイド。『おめでとう』と相手を讃えて、今度は負けないようにもっと努力する。選手たちにも、そういう心を持てる人になってほしいと思います。
「いかに良い生活を続けているか。日頃から85%あたりの良い状態を保つことが大事」。
花田監督の言葉は、日々の食事や生活こそ大切であるという私たちの目指す姿そのものでした。
MUROはこれからも、科学的な知見と製品の提供を通じて早稲田大学競走部駅伝部門の挑戦を応援し続けます。
花田監督、ありがとうございました!

【関連情報】株式会社コラゾンは、2024年より早稲田大学スポーツ科学学術院、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と「陸上長距離走者の腸内細菌叢に関する縦断的観察共同研究」を実施しています。

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麹専門店MURO神楽坂
MURO(むろ)は、麹を製造する神聖な場所「麹室(こうじむろ)」が名前の由来です。「KOJIを通じて、人々の健康や豊かな食に貢献する」をコンセプトにしたKOJI FOODS(麹を使った食品・調味料)やKOJI DRINK(麹甘酒)のブランドです。
取り扱っている麹甘酒は全て、ノンアルコール・ノンシュガー・無添加。
店舗には管理栄養士や発酵食品ソムリエなど、甘酒好き、甘酒通のスタッフが体質やお好みを伺って お客様に合うような甘酒の種類や飲み方を提案しております。
沢山のこだわりの甘酒の中から、ぜひお気に入りの一本、お気に入りの作り手さんに出会って 日々の体と心の健康にお役立ていただけますと幸いです。
